「終活」といっても、何をすればよいの?
各種メディアでも取り上げられ、すっかり市民権を得たかのように思う「終活」という言葉。しかし言葉だけが独り歩きし、本来の「生前対策」がおろそかになってしまっては、行政書士としての立場としてもったいないと思います。せっかくネガティブな「死」について、きちんと向き合い、家族のために考えるという考え方が広まってきたのに、考えただけで終わり、実行せずに御しまいでは何も意味がありません。実際の対策実行に向けて一歩を踏み出すことが必要です。それでは具体的な「終活」とはどのような対策を指すのでしょうか。次の通り、順に考えていきましょう。
その① 「任意後見契約」の締結
まずは、判断能力が低下してきたことを考えた場合の対策になります。若年性アルツハイマーという言葉もありますが、年齢を重ねるにつれて判断能力が低下することは、誰にでもありうることです。万が一、判断能力が低下したときのために、お元気なうちから、「後見人」をあらかじめ決めておき、財産の管理を任せる約束をしておくという対策です(参照:「任意後見契約とは」)。
もしこの「任意後見契約」を締結しなかったとしても、「法定後見制度」がありますので、後見人に財産を管理してもらうことは可能です。しかしながら、「法定後見人」は誰が就任するかわからず、またどのような終末期の人生を送りたいかについて、希望を伝えることもできません。一方、「任意後見契約」であれば、あらかじめ後見人を指定することができるうえ、ライフプランについても希望を伝えておくことが可能になるのです。
なお、「任意後見人になってくれる親族がいない」という場合は、任意後見人となってくれる行政書士等専門家に依頼すると良いでしょう。名古屋市内であれば、行政書士法人エベレストにおいても対応可能ですし、親族間での任意後見契約締結支援も行っております(参照:任意後見サービス)。お気軽にご相談下さい。
その② 「死後事務委任契約」の締結
さて、「任意後見契約」については亡くなる前の判断能力低下時の対策になりますが、次は「亡くなった直後」に関する対策です。上記の任意後見契約による任意後見人や法定後見人は、「死亡と同時に職務が終了」します。あくまで生前の財産管理についての代理人であって、本人死亡後においてまで当然に財産の処分権限を与えられているわけではないのです(※死亡時の財産状況を取りまとめ、相続人に引き渡すことまでが仕事です)。つまり、後見人は、「お葬式」や「お墓」についてまではお手伝いができないのです。
しかし「せめて1周忌まではきちんと供養をしてほしい」、「親のお墓に入りたい」など、「お葬式」や「お墓」に関するご要望は少なくありません。これらの要望にきちんとした形で応えるのが、「死後事務委任契約」なのです。任せられる親族がいない場合は、やはり行政書士等専門家に依頼するとよいでしょう。対応できる事務所は多くはございません。行政書士法人エベレストでは、墓石業者や葬儀社とも業務提携を行っており、十分に対応が可能です。名古屋市内であれば、ぜひ行政書士法人エベレストにご相談下さい。
その③ 「公正証書遺言」の作成
最後は、もはや「定番」といってもよいでしょう。「定番」ではありますが、相続手続きをしていると、実に粗悪な遺言書が多いです。あまり専門性の高くない専門家が作成したか、専門家の関与なしに自力で公証役場に相談し作成したものと推測されますが、亡くなってしまったあとは後の祭りですので、非常に残念です(公正証書遺言については、「遺言」の基本知識ページをご覧下さい)。
なお、「財産をあげたい親族がいない」場合であっても、遺言を活用すれば、第三者に寄付することができます。例えば、檀家となっているお寺さんや、ユニセフや日本赤十字などの公的機関です。少しでも財産の帰属について希望がある場合は、遺言書の作成を検討すべきでしょう。
(⇒公正証書遺言作成サービス)
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