「外国人支援士(がいこくじんしえんし)」とは?
「外国人支援士」とは、「外国人」(※日本国籍を持たない者)が日本で暮らすための生活上の支援等を行う専門職として、法務省内で設置が議論されたことがある公的資格です。時事通信社が行った現出入国在留管理庁長官の佐々木聖子氏へのインタビュー記事(2019年8月28日)にて登場しました。
当該記事においては、現行制度の「登録支援機関」を中心とした支援体制が育ち、広まり、機能することが先決とされ、あくまで将来的な構想案の1つとして声が上がっただけに過ぎません。しかし、外国人の方々の支援は「共生」を目指す日本においては喫緊の課題であることは間違いなく、そういった外国人の支援を専門とする人材の国家的な養成の必要性は必然的なものであると筆者(代表社員野村篤司)は考えています。
ましてや現役の出入国在留管理庁長官という公職者(しかも高級官僚)が、大手マスメディアへのインタビューという公式に近い場で言及した点も考慮すると、そういう声が上がり、程度はさておき、議論されたことは間違いなく、将来的(少なくとも2024年4月以降)に新たな国家資格又は公的資格として整備されたとしてもおかしくありません。
なお、あくまで筆者の見解ですし、インタビュー記事にもあるとおり、当該議論が再熱するか否かは現行の「登録支援機関」の成否に関わっていると考えています。既に全国で3000社(者)以上が登録支援機関として登録されていますが、「特定技能制度」のスタートが1年弱経過した今(※執筆時点)で低調だったことから、そのほとんどは未だ稼働していない現状です。
新しい在留資格「特定技能」制度を専門的に取り扱う(※特定技能シェルパ)当行政書士法人(登録支援機関)ですら、支援対象の1号特定技能外国人はまだわずか3名に過ぎません(2020年2月1日現在:ネパール国籍3名)。このまま「登録支援機関」の運用が低調に終わったとすると、以下のような制度改善が考えられます。
なお、これはあくまで筆者の「妄想」に過ぎませんので、情報の捉え方には十分にご注意ください。何か根拠があるわけではなく、既存の「登録支援機関制度」を軸とした場合の個人的な構想案です。
「外国人支援士」が創設された場合の資格制度設計(構想例)
〇管轄
法務省・厚生労働省・外務省の共管
〇資格の取得方法
国家試験(※受験資格は行政書士や社会保険労務士の国家資格者又は実務経験1年以上)
〇試験内容(年1回実施)
①語学(英語・中国語・その他複数言語から選択)
②労働関連法
③税法(所得税・住民税・消費税等)
④入管法及び技能実習法
⑤憲法
⑥各種国際法
⑦行政法
⑧文化や歴史等に関する知識など(※実務経験免除あり)
〇独占業務
なし(※名称独占のみ)
〇設置義務
①「登録支援機関」の登録要件として、支援の委託を受けている1号特定技能外国人5名あたり、1名以上の外国人支援士を常駐させなければならない。
②所属機関において、(同時に)10名以上の外国籍労働者を雇用する場合は、外国人支援士の資格を持つ職員を設置するか、又は外部に委託して、中立的な立場から支援をしなければならない。
〇資格の有効期限
なし(但し、外国人支援士名簿への登載期間は5年であり、5年ごとに更新が必要)
→このように、「登録支援機関」の「質上げ」という形であれば、うまく既往するのではないでしょうか。いずれにせよ、外国籍労働者を国策として受け入れていくには、支援体制は必須です。上記は一例にせよ、特定技能制度が普及するにつれ、国民的議論になっていけばよいと考えています。
「外国人支援士」が行う支援の一例(※特定技能制度の説明資料から抜粋)
外国籍労働者の支援は、既にある「外国人就労アドバイザー™」へ!
外国人就労アドバイザー™とは、行政書士法人エベレスト・社会保険労務士法人エベレストが法令面を監修のもと、外国籍労働者に係る就労等支援経験又は知識を有する①申請取次行政書士・②社会保険労務士(独立)・③キャリアコンサルタントであって、株式会社エベレストコンサルティングが認定した専門家です。
「外国人支援士」が制度化されるまでは、その役割は「登録支援機関」はもちろんのこと、人事労務分野の専門家である「社会保険労務士」、入管法や技能実習法を通して諸手続きを支援が可能な「(申請取次)行政書士」等に期待が寄せられるでしょう。
下記から、検索が可能です。まだまだ募集段階ですので、興味がある方はお気軽にお問い合わせください(実務経験が乏しい場合は、就任できない場合が多いですのであらかじめご了承下さい)。