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事業再構築補助金の事業計画書の記入例(22項目)を徹底解説!通過率UPの要点10個も解説

事業再構築補助金の事業計画書の記載例①
事業再構築補助金の事業計画書の記載例①

「事業再構築補助金の『事業計画書』を作成したいけれど、何を書けばいいのかわからない…。記入例を参考にしながら進めたいな」

本記事をご覧いただいていらっしゃる方は、「事業再構築補助金」への申請を行う予定なのかもしれませんね。

事業再構築補助金とは、コロナの影響で売上減の影響を受けるなか、「新分野展開」や「事業転換」によって「事業再構築」を図ろうとしている企業に対して、最大1.5億円(※グリーン成長枠の場合)・最大補助率4分の3もの補助金を給付する制度です。

その際、申請書類の一つである「事業計画書」をどう作成すればいいのかわからず、途方に暮れているのではないでしょうか。

事業再構築補助金の「事業計画書」は、フォーマットが存在しないうえ、指針や綱領が難解なため、むずかしいと感じる経営者が多いのが実情です。

しかし、だからといって、“自己流”で作成するのは非常に危険です。

事業再構築補助金には、他の多くの公的補助金制度と同様に「審査」があります。求める要件を満たしつつ、補助金の審査担当者に「分かりやすく」伝えないと、補助事業計画が「採択」されず、補助金を受給できない可能性があるからです。

そこで本記事では、以下について解説します。

 

本記事執筆者のご紹介

 

本記事でわかること

 

・事業再構築補助金「事業計画書の記入例」

・事業再構築補助金「事業計画書の記載項目ごとのワンポイントアドバイス」

 

 

「事業再構築補助金を確実に受給したい!」
「絶対に審査を通過したい!」

という思いがある方は、本記事でお伝えする「(事業再構築補助金申請上における)事業計画書の作成ポイント」と「実際の記入例」をチェックしてみてください。

それでは早速、みていきましょう。

 

1.  事業再構築補助金「事業計画書の記入例」を無料公開!

事業再構築補助金の事業計画書の記載例②
事業再構築補助金の事業計画書の記載例②

あなたは「実際の記入例があると書きやすいな…」と感じているのではないでしょうか。
    
そこで、本章では「実際の記入例」をご紹介します!
この記入例は「行政書士法人エベレスト」が、事業再構築補助金に申請した場合を想定して、実際に代表社員野村篤司自らが作成したものです。

そのため、22個の記載項目は、当社による完全オリジナルです。
ぜひ、事業計画書を作成する際の参考にしてください。

 

=========================================

なお、「事業計画書のひな形」をご希望の方は、以下のリンク先より「Wordデータ」にて提供しております。有償での提供になりますが、効率的に採択を目指せますお気軽に活用下さい。

=========================================

 

事業再構築補助金「事業計画書」のテンプレート項目

1.補助事業の具体的取組内容

 

・現在の事業の状況について 

 

・現在の事業の強み・弱み/事業環境について 

 

・補助事業計画名及びその概要

 

・事業再構築の具体的内容及び課題とその妥当な解決方法

 

・事業実施期間の取組みスケジュールについて

 

・応募申請する枠と事業再構築の種類

 

・補助事業を行うことによる差別化について 

 

・補助事業実施期間中における補助事業実施体制

 

・再就職支援の計画等の従業員への適切な配慮の取組みについて

 

 

 

 

 

2.将来の展望

(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)

 

・補助事業実施の「成果」について

 

・競合他社の動向についての把握状況

 

・補助事業の成果の事業化が寄与すると想定している「具体的なユーザー」

 

・本事業が寄与すると想定している「マーケット及びその市場規模」について

 

・補助事業成果の価格的・性能的な優位性・収益性について

 

・補助事業成果の事業化における課題やリスク、その解決方法について

 

・補助事業成果の事業化見込み(事業化の目標時期・売上規模、量産化時の製品等の価格等)

 

 

3.本事業で取得する主な資産

 

 

・資産の概要

 

4.収益計画

 

・本事業(補助事業終了後の事業化に向けた実施段階)の実施体制

 

・本事業の事業化に向けた実施スケジュール

 

・資金調達計画について

 

・収益計画表

 

・「付加価値額」の算出根拠・実現の道筋

 

 

1-1.【公開項目①】現在の事業の状況について(約1~1.5ページ)

 事業計画書内の「1.補助事業の具体的取組内容」の「現在の事業の状況について」における以下の項目の記入例をご紹介します。青色で記載する部分が、事業計画書に記載する内容です。

 

会社概要

会社の基本情報を記入します。

 

(現在の)主力商品・サービスについて

提供している商品・サービスの項目・内容・販路について記入します。

 

(過去2か年における)サービス別売上構成割合について

商品・サービス別の売上構成比を記入します。

 

 

会社概要

 

行政書士法人エベレスト(以下、「当法人」とします。)は、〇年〇月〇日に、代表社員〇〇の個人事務所であった「行政書士事務所〇〇」を法人化する形で設立された行政書士事業を営む士業法人(行政書士法人)です。

 

<法人概要>

 商 号:行政書士法人〇〇

 所 在:〇〇〇

 創 立:〇年〇月〇日

 従業員:社員行政書士〇名、正社員〇名(合計〇名)

 年 商:約〇億〇〇〇〇万円(令和〇年〇〇月期着地見込み)

 事 業:行政書士事業全般

     (相続手続き関連・外国人ビザ関連・営業系許認可関連が3本柱)

 

 (現在の)主力商品・サービスについて

 

当法人の主力サービスは、以下の通りです。

 サービス名

 

サービス内容

主な販路

相続手続き関連

亡くなられた方の遺産承継手続きや戸籍収集及び遺産分割協議書の作成を代行する個人向け・資産家向けのサービスです。当法人の正社員のうち1名が韓国籍であり、特別永住者の方々の難しい相続手続き事例に強みがあります。

・特設サイト

・地域の葬儀社

・他士業からのご紹介

外国人ビザ関連

外国籍の方が日本で3カ月以上滞在する際に必要となる「在留資格」について「申請取次行政書士」の地位をもって円滑に手続きを行う外国籍向けサービスです(コロナ以前では中国籍従業員の雇用有)。

・特設サイト

・他士業からのご紹介

営業系許認可関連

各種営業系許認可(建設業、宅建業、サ高住登録、古物商営業許可等)について申請代行するサービス

・自社メインWEBサイト

・他士業からのご紹介

その他

各種契約書作成、書籍執筆料など

・自社メインWEBサイト等

 

 (過去2か年における)サービス別売上構成割合について

商品名・サービス名

税込平均単価/件

サービス提供数/

年平均

売上高

構成割合

相続手続き関連

約〇〇〇,〇〇〇円

約〇〇〇件

約〇〇%

外国人ビザ関連

約〇〇〇,〇〇〇円

約〇〇〇件

約〇〇%

営業系許認可関連

約〇〇〇,〇〇〇円

約〇〇〇件

約〇〇%

その他

約〇〇〇,〇〇〇円

約〇〇〇件

約〇〇%

合計売上高(100%)

100.0%

 

ここまでが会社概要の紹介となります。ここまでで概ね1~1.5ページほどの記載量として、端的に自社紹介をします。事業計画書には、ページ制限があることから、この部分で2ページ以上を埋めてしまわないように、要領よくまとめることが肝心です。

 

1-2. 【公開項目②】現在の事業の強み・弱み/事業環境について

続きまして、事業計画書内の「1.補助事業の具体的取組内容」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

 現在の事業の強み・弱み/事業環境について

事業を「SWOT分析」した結果を記入します。

 

市場ニーズや自社の強みを踏まえた選択と集中(リソースの最適化)を図る取組み

「撤退すること」「注力すること」を記入します。

 

新型コロナ感染症の影響及び事業再構築の必要性等

「コロナの影響」が深刻であるがゆえに「事業再構築が必要である」というロジックを記入します。

 

一つずつ、ご覧ください。

 

現在の事業の強み・弱み/事業環境について(4象限による分析図)

 

内部環境(自社でコントロール可能)

外部環境(自社でコントロール不可能)

良い影響

【強み(S)】

 

隣接士業(税理士・司法書士・社会保険労務士)とグループ構築により、横断的・包括的に対応可

過去●●年間に及ぶ実務経験で●●件数●●●件超の圧倒的実績

「●●●●」の商標権を取得済み

 

【機会(O)/市場ニーズ】

 

IT技術の革新により、様々なITツールを駆使することで、士業における生産性は高まりつつある

「AI技術」の発展・普及により、当法人のような零細事務所でも比較的導入しやすくなっている

「コロナ禍」を機に、「非対面での相談対応」が一般的に許容されてきている

悪い影響

【弱み(W)】

 

専門職としての豊富な知識・経験値が要求され、人材採用・教育コストが高い

現状は典型的な「労働集約」的なため、労働力に依存し、売上が伸びづらい

 

【脅威(T)】

 

「行政書士登録者数の増加」による、競争激化及びサービス提供価格の相場下落

各種行政手続きの電子化・手続きの簡素化

人件費高騰・人手不足(労働集約型産業のため)

 

 

 

市場ニーズや自社の強みを踏まえた選択と集中(リソースの最適化)を図る取組み

事業再構築補助金の事業計画書の記載例③

 

リソースの最適化(選択と集中)について

辞めること・撤退すること

これから注力すること

 

積極的な人材雇用を「停止」

将来的な人件費高騰を予想し、新たな人材雇用は抑制する一方で、生産性向上をまず優先させて今いる従業員の「賃金水準の底上げ」を図っていく

 

主たる事務所以外の複数拠点展開を「廃止」

「非対面相談の一般化」により、利益を圧迫しやすい複数拠点体制は改め、「オンラインでのサービス提供が大前提」としていく

IT技術の徹底活用(法務DXへ注力)

「人件費より安くなったAI技術」を駆使して、「●●●●」を開発・外部提供していく(補助事業)。

「●●市場」より「●●市場」を強化

コロナ禍後に市場規模が大きく低下した●●●市場から一時撤退し、●●事業へ注力していく。

 

新型コロナ感染症の影響及び事業再構築の必要性等

既存事業における深刻な新型コロナウイルス感染症の影響に関して

新型コロナウイルス感染症の影響により、「入国制限」がなされ、日本へやってくる留学生や就労予定者は激減し、在留資格関連のサービス売上が大きく影響を受けました。また、外国人労働者(1号特定技能外国人等)の主な就労場所であった「飲食業・宿泊業・製造業」における業績悪化もあり、当社が主力としていた「特定技能(2019年4月に制度開始)」に関するニーズが喪失しました。

事業再構築の必要性

事業再構築の緊要性

2ページ(SWOT分析)に記載した「脅威3つ」に対して、既存のビジネスモデルのままではこの危機を回避することができないと考え、付加価値額を増加させるに再構築が必須です。

現在は過去客の在留資格の更新等である程度の売上高が見込まれていますが、月日が経過するとともに、外国籍従業員の退職・転職や許認可事業者の事業撤退等により、これらのストック売上も見込まれなくなる可能性が高いです。また一般的な製造業等と比べて、行政書士事業は労働分配率が高い事業であるため、売上の急減は、すぐさま営業損失の発生に結び付きやすく、業績が急降下しています。

 

 

1-3. 【公開項目③】補助事業計画名及びその概要

続きまして、事業計画書内の「1.補助事業の具体的取組内容」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

補助事業計画名及びその概要

事業再構築にあたって取り組む事業概要を記入します。

 

補助事業計画名及びその概要

補助事業計画名

(30字程度)

「●●●●●●●●開発」を機とした「●●DX事業」参入

補助事業計画の概要

(100字程度)

「コロナ禍」や「デジタル庁発足」を機として、これまで以上に「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の機運が高まっている。他分野に比べて遅れがちな「●●DX」に、「行政書士」だからこそ挑戦していく。

 

ここは、実際に採択された場合に「公開情報」となる部分です。公開されたら困る内容の記載は避けるようにしつつ、端的に補助事業がすぐにわかる内容としましょう。記載するのは、最後の最後で構いません。

 

1-4. 【公開項目④】事業再構築の具体的内容及び課題とその妥当な解決方法

続きまして、事業計画書内の「1.補助事業の具体的取組内容」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

事業再構築の具体的内容及び課題とその妥当な解決方法

事業の詳しい説明、課題、課題の解決方法を記入します。

 

事業再構築の具体的内容及び課題とその妥当な解決方法

項目

具体的内容

補助事業

実施上の課題

課題の解決方法

新たに

提供する

サービス

内容

IBM社が開発した「Watson」を基盤とした「●●●●●●●」を開発し、(自社使用すると共に)他事業者へ有償提供します。

当法人では英語がわかる社員がいないため、事実上「Watson」の提供サービスを使用して開発ができない点をどう解決していくか。

Watsonを基盤とした二次的開発サービスが多数登場しているため、これらを利用します。

【※補助事業に係るスキーム図を作成して挿入する場所】

開発

予定

システム

設備名称(型番なし)

導入する設備の用途等

導入予定時期

名称:●●●●●●●(IBMが開発した「Watson Assistant」という開発ツールを活用)

当法人が運営するサイト等に搭載し、有償提供もしていく。

令和●年●●月頃

(「学習」及びサイトへの搭載完了)

先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か否か

IBMが開発した「Watson」は「コグニティブコンピューティング」と呼ばれる先端的なデジタル技術であり、この技術を活用する当該補助事業計画は、地域はもちろん、「士業界」のイノベーションに貢献しうる事業と考えます。

 

 

この部分は、事業計画書における補助事業の具体的な取り組みに係る中核部分です。誰が見てもわかりやすく、端的に要点を抑えた内容を記載するようにしましょう。難しいなと感じる点があれば、予め課題を抽出し、解決策を明確にするようにします。

 

1-5. 【公開項目⑤】事業実施期間の取組みスケジュールについて

 続きまして、事業計画書内の「1.補助事業の具体的取組内容」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

事業実施期間の取組みスケジュールについて

事業の実施スケジュールを記入します。

 

 

事業実施期間の取組みスケジュールについて

事業再構築補助金の事業計画書の記載④

補助事業期間内で行う取り組みを細分化し、それぞれの取り組み名称と内容(説明)を記載しましょう。ページ数に限りがあるため、難しいかもしれませんが、何をするかをわかりやすく丁寧に説明する必要があります。

 

1-6. 【公開項目⑥】応募申請する枠と事業再構築の種類

続きまして、事業計画書内の「1.補助事業の具体的取組内容」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

応募申請する枠と事業再構築の種類

「事業再構築補助金」の要件に合致しているという事実を記入します。

 

応募申請する枠と事業再構築の種類

 

 

この部分は、選択する申請類型に合わせて「事業再構築指針」に基づいて説明項目が定められており、しっかりした説明が必要な部分です。必要的な説明事項であり、説明が誤っていたり、漏れていたりする場合は、それだけで不採択の可能性があります。必ず注意して、慎重かつ明確に記載するようにしましょう。

 

1-7. 【公開項目⑦】補助事業を行うことによる差別化について

続きまして、事業計画書内の「1.補助事業の具体的取組内容」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

補助事業を行うことによる差別化について

事業の「競合優位性」について記入します。

 

 補助事業を行うことによる差別化について法・仕組み

 

どのように差別化し、競争力強化の実現を図るか

競合他社との差別化内容(競争力の強化策

競合の「行政書士事務所」は、当法人とは真逆の「●●●●●●●●」に動いており、●●●●についてはその動きが全く見られません。当社は●●●●●重視であり、類似の計画も見受けられず、業界初の試みとなります。

既存事業との差別化内容(競争力の強化策

従来の●●●●関連事業は、直接的にエンドユーザーに対する役務提供でしたが、「競争激化(●●●~●●●)」を「事業拡大のチャンス」と捉え、●to●事業に転換していきます。

 

 

「差別化」しないことには、競合優位性が弱くなってしまい、「事業化」が達成できないこととなります。そこで、「差別化するポイント」について明確に記載することが求められています。

 

1-8. 【公開項目⑧】補助事業実施期間中における補助事業実施体制

続きまして、事業計画書内の「1.補助事業の具体的取組内容」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

補助事業実施期間中における補助事業実施体制

事業の運営メンバー、財務状況、資金調達の可能性について記入します。

 

補助事業実施期間中における補助事業実施体制

氏名

所属機関名/役職

担当する役割の説明

経験年

〇〇〇

当法人/代表社員

当該補助事業統括・予算及びスケジュール管理・収益計画策定・資金調達等

●●

〇〇〇

協力企業(開発担当)

Watsonを基盤とした専用システム開発

●●

〇〇〇

弁護士法人●●●●/代表社員

法律顧問及び使用感検査の実施

●●

最近の財務内容について

直前期(令和●●月期)において、営業利益は●●●●万円(売上高営業利益率●●%)を計上しており、純資産額●●●●万円となっています。自己資本比率は●●%、流動比率は●●%となっており、売上規模こそ大きくないものの、コロナ禍の影響を乗り越えつつあります。

金融機関からの十分な資金の調達が見込めるか

主要取引先の「●●銀行●●●●支店」の担当者様からは、「割を超える高い売上高営業利益率」及び「コロナ禍前後における事業改善行動」、そして中長期的視野に基づいた当該補助事業計画そのものを評価頂いており、採択されることを条件としているものの、前向きな回答を頂戴しております。

 

1-9. 【公開項目⑨】再就職支援の計画等の従業員への適切な配慮の取組みについて

きまして、事業計画書内の「1.補助事業の具体的取組内容」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

再就職支援の計画等の従業員への適切な配慮の取組みについて

「解雇の予定がないか」について記入します。

 

 再就職支援の計画等の従業員への適切な配慮の取組みについて

当該事業再構築計画の実施に従い、従業員の解雇予定はありません。

 

 

なお、「従業員を解雇して生産性を高める」という計画も、経営計画としては往々にしてあり得ますが、事業再構築補助金においては、NGとされています。そういった計画では不採択になりますので、注意しましょう。

 

1-10. 【公開項目⑩】補助事業実施の「成果」について

続きまして、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

補助事業実施の「成果」について

事業によって「どんな成果が得られるか」「市場における優位性」を記入します。

 

 補助事業実施の「成果」について

補助事業実施成果に関する説明

成果の強み

●●●●●●●を、●●●市場に取り組む●●●●会社等に有償提供可能となります。

過当競争の●●●●●関連市場から、●●DX」をキーワードとした「(to)システム提供事業」に転換させることが可能であり、「非労働集約型事業」です。

 

 

この部分の「成果」は出来る限り端的に、わかりやすく記載するようにしましょう。「何に取り組んだ結果、こういう成果が生まれるため、事業拡大につながります」という全体的なストーリーを意識して事業計画書を作成することも重要です。

 

1-11. 【公開項目⑪】競合他社の動向についての把握状況

きまして、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

競合他社の動向についての把握状況

「競合他社」の動向と、事業をローンチした際の「市場ニーズ」について記入します。

 

 競合他社の動向についての把握状況

競合他社名

企業概要

昨今の動向について

株式会社〇〇〇

全国拠点、従業員数●●●名の●●関連を主とした業界首位。

多拠点展開を加速し、全国店舗まで拡大予定。●●連携を加速中。

市場ニーズの有無の検証について

株式会社●●●●が、20●●月に発表した「日本企業のデジタル化への取り組みに関するアンケート調査」において、●●%もの事業者が「DXに取り組んでいる」と回答しています。コロナ禍到来でさらに高まっていることと、労働集約型産業で、生産性が営業利益拡大の「肝」となる士業界においてはさらに注目度が高い分野です。なお、●●●市場は、20●●年に向けて、順調に拡大基調にあります。

 

 

「成長市場であること」を説明します。民間調査会社のデータを購入するのが一番ですが、官公庁が発表する公的な統計資料からも市場ニーズを把握することができます。また、競合企業を複数選定し、共通する動向を記載する方法も有益なものとなります。但し、必ずしも同調する必要はなく、自社の強みを踏まえて、競合他社とは違う方法でアプローチすることでも問題ありません。成長市場・成長産業であることは必ず記載していきましょう。

 

1-12. 【公開項目⑫】補助事業の成果の事業化が寄与すると想定している「具体的なユーザー」

続きまして、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

補助事業の成果の事業化が寄与すると想定している「具体的なユーザー」

事業(商品・サービス)の利用ユーザー(ペルソナ)を記入します。

 

補助事業の成果の事業化が寄与すると想定している「具体的なユーザー」

ユーザー分類名

具体的なユーザーの特徴

●●●●●

地域

日本全国(優先度:中部圏>関東圏>関西圏>福岡圏)

属性

●●●に関連したサービスを提供する●●会社

規模

従業員数1000名以上(概ね年商10億円以上)

母数

推定●●万事業所

 

 

どういった顧客を狙うのか、個別具体的に記載します。ここは具体化させるうえで切り口となる「地域」「属性」「規模」などの記載は、法人顧客と個人顧客で異なりますが、細分化させるための任意項目ですので、自由に記載いただいて構いません。母数は必ず書くようにしましょう。

 

1-13. 【公開項目⑬】本事業が寄与すると想定している「マーケット及びその市場規模」について

次に、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

本事業が寄与すると想定している「マーケット及びその市場規模」について

マーケット規模(〇億円市場)について記入します。

 

本事業が寄与すると想定している「マーケット及びその市場規模」について

 

マーケットに関する説明

市場規模(現在・将来)

●●D

X市場

当該補助事業は、「システム売上/月額課金制」が主であるため、マーケットは●●●DX市場」とし、「事業者における●●●に関連したDXへの取り組み市場」と定義しました。なお当該市場は、「●●●●(右図)」のデータとの相関関係にあり、20●●年までは拡大傾向であることが明白です。●●●●のうち、●●に取組む割合割、DX関連予算は年額●●万円と見ており、「年間●●●●億円市場」と捉えます。

グラフを添付

 

 

 

 

 

グラフを添付

 

 

 

 

グラフを添付

 

 

視覚的に市場規模の大きさや伸びが判断できるようにグラフを2~3つ程度添付しましょう。グラフだけでは説明にならないため、文章も忘れずに記載が必要です。

 

1-14. 【公開項目⑭】補助事業成果の価格的・性能的な優位性・収益性について

 

続きまして、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

補助事業成果の価格的・性能的な優位性・収益性について

事業の「競合優位性」と「収益性」を記入します。

 

 

補助事業成果の価格的・性能的な優位性・収益性について

 

 

競合優位性

収益性

価格的

●●●●●システム」は、「Watson」を基盤として開発しているため、システム開発コストが低く、そのために競合よりも低単価でシステム提供が可能となり、「価格競争力」を得ることが可能となります。

当社としては、「月額●●●(税込)」で外部へシステム提供しますが、月次の損益分岐点は●●社(月額●●●円相当)であるため、●●社目からは販管費を除いて約〇割が営業利益として残ります

性能的

「学習」時に用いる「教師データ」の「質」が肝となりますが、過去●●年間の●●●件以上の実際の●●●がデータです。

「システム提供」であるため、売れれば売れるほど、利益が積み重なっていくという収益上の仕組みがあります(変動費も僅か)。

 

 

補助事業の「成果」が価格的・性能的に競合優位性を持ち、高い収益性がなければ、事業化できたとしても付加価値額の増大は見込めません。そのため、事業再構築補助金の事業計画書においては「価格的・性能的」な側面から、競合優位性と収益性を記載することが求められています。

 

1-15. 【公開項目⑮】補助事業成果の事業化における課題やリスク、その解決方法について

 続きまして、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

補助事業成果の事業化における課題やリスク、その解決方法について

事業を実施するにあたっての課題と解決方法を記入します。

 

 

補助事業成果の事業化における課題やリスク、その解決方法について

 

事業化における課題

その解決方法について

(さらなる付加価値額の向上策)

課題

●●●●システム」の有償提供だけでは、●●●●にとって付加価値が低いのではないか。

既に開発が完了している「●●●ポータルサイト(●●●●)」への企業情報掲載●●●●に係るセカンドオピニオンサービス、●●●サービス導入研修(1回1日税込●●万円)を同時提供して付加価値向上を図ります。

 

 

補助事業の「成果」にも疑義があるはずです。「こういった点が事業化における課題になり得る」という部分を自ら抽出し、その課題をクリアするための解決策を明記します。特に、「売上高(営業利益)に繋がるかどうか」が重要ですので、集客面の課題について心配がある場合は、そこの打開策を記載するようにしましょう。

 

1-16. 【公開項目⑯】補助事業成果の事業化見込み(事業化の目標時期・売上規模、量産化時の製品等の価格等)

 続きまして、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

補助事業成果の事業化見込み(事業化の目標時期・売上規模、量産化時の製品等の価格等)

既存事業と新規事業の「売上予測」を記入します。

 

補助事業として費用対効果が高いと考える理由

「収益性が高い事業であること」を証明するエビデンスを記入します。

 

審査項目(4)政策点に関する該当性に関する説明

「事業再構築補助金」の審査項目(4)を満たすエビデンスを記入します。

 

 

補助事業成果の事業化見込み(事業化の目標時期・売上規模、量産化時の製品等の価格等)

事業再構築補助金の事業計画書の記載例⑥

 

 

補助事業として費用対効果が高いと考える理由

補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上について

補助金の投入額(交付申請額)は「●●●●円」であるのに対して、増額が想定される付加価値(補助事業実施後年間合計)は「●●●●万円」となっており、投入額の●●倍の成果です。

現在の自社の強みの活用について

既存事業とのシナジー効果が期待できるか

横断的・総合的かつ圧倒的な●●●●を「ビックデータ」と捉え、先端技術を駆使してシステム開発に繋げています。

自社としても当該システムを導入しつつ、「●●●●へ提供」を軸として法人提携を増やしていきます。既存事業へのシナジー効果も高くなります。

 

 

 

 審査項目(4)政策点に関する該当性に関する説明

審査項目(4)

該当すると考える理由の説明

先端的なデジタル技術の(中略)我が国の経済成長を牽引し得るか。

当該補助事業では、IBM社の開発した「コグニティブコンピューティング技術」を活用しており、生産性が低いとされる日本のホワイトカラー(特に専門事務職)において寄与できるため、経済成長を牽引し得ると考えます。

新型コロナウイルスが事業環境(中略)効な投資内容となっているか。

新型コロナの影響により、特に蔓延化においては「対人接触機会の減少」が社会的にも強く求められます。開発するシステムは、「非対面対応」が可能となるものであり、有効な投資内容と考えます。

ニッチ分野において適切(中略)地位を築く潜在性を有しているか。

●●DX市場はニッチな分野ではありますが、年間●●●●件発生する●●のほぼ全てにおいて発生する「相談対応ニーズ」に対応するものであり、士業事務所を対象とする適切なマーケティング及び独自性の高いサービスです。

地域の特性を活かして高い(中略)事業となることが期待できるか。

当該補助事業は、システム開発投資であるため、地域に限られたビジネスではないものの、当法人が存する「愛知県」は「ものづくり以外の産業育成」が課題となっており、当該補助事業は地域経済の牽引に寄与する事業です。

異なるサービスを提供する事業者が(中略)波及効果が期待できるか。

●●●●●」は多岐にわたり、行政書士である当法人だけの知識では、汎用性のある●●●システムは開発(学習)困難です。そのため、開発段階において、税理士・司法書士等のグループ内隣接士業と共に開発します。

 

 

最後の「政策的加点項目」は、全て合致させるのが難しい場合もありますが、「該当なし」とするのではなく、できる限り記載することを推奨します。なお、⑤については、「連携事業」として同一又は個々に申請する場合に限って得点できるという取り扱いをされている可能性があります。可能であれば、当該補助金の採択の有無にかかわらず、異業種等との連携事業を組んで、新たな事業再構築に望まれるといいでしょう。

 

1-17. 【公開項目⑰】本事業で取得する主な資産

続きまして、事業計画書内の「3.本事業で取得する主な資産」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

本事業で取得する主な資産

事業で取得する資産の内容と金額を記入します。

 

 

本事業で取得する主な資産

建物の事業用途又は機械装置等の名称・型番

建物又は製品等分類、中分類)

取得予定価格

建設又は設置等を行う事業実施場所

ソフトウェア

ソフトウェア

税込〇〇〇円

本社

 

 

ここは「電子申請入力フォーム」内にも記入箇所がありますが、事業計画書内でも記載が求められています。電子申請入力フォームを埋めた後に、その部分をスクリーンショットで画像データ化し、その画像データを事業計画書内に張り付ける方法だと、記載の相違も防げるためお勧めです。

 

1-18. 【公開項目⑱】本事業(補助事業終了後の事業化に向けた実施段階)の実施体制

続きまして、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

本事業(補助事業終了後の事業化に向けた実施段階)の実施体制

事業を推進するメンバーの詳細について記入します。

 

 

本事業(補助事業終了後の事業化に向けた実施段階)の実施体制

 氏名

 

役職等

担当する役割について

経験年数

〇〇〇

代表社員

事業化責任者/経営責任者。システム品質・営業活動を統括。

●●

〇〇〇

正社員

システム導入先からの問い合わせ対応及び営業事務担当者。

●●

〇〇〇

正社員

経理担当/月次売掛金管理及び記帳業務。クレカ決裁処理等。

●●

〇〇〇

正社員

専任の営業担当者として採用予定です。年1名採用予定。

●●年

 

 

事業化を進めるにあたり、その「実施体制」がある程度確立されている必要があります。現在の人員で体制を構築できることが望ましいですが、人員不足等の理由で難しい場合は、「新規採用」するなどして体制構築をしていくことを説明しましょう。

 

1-19. 【公開項目⑲】本事業の事業化に向けた実施スケジュール

 

続きまして、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

本事業の事業化に向けた実施スケジュール

取り組み内容ごとの実施スケジュールを記入します。

 

 

本事業の事業化に向けた実施スケジュール

事業再構築補助金の事業計画書の記載例⑦

 

ここでは、「事業化」段階のスケジュールを記載します。補助事業実施期間のスケジュールとは異なりますので、十分に注意してください。なお、事業化は「3~5年」で設定しますので、2年や6年にならないようにすることもご注意ください。具体的な取り組み項目は最低3つとし、最大でも7つ程度がよいでしょう。それ以上多いと、事業計画書の制限枚数にひかっかることが多くなります。

 

1-20. 【公開項目⑳】資金調達計画について

続きまして、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

資金調達計画について

事業の実施にあたって「資金調達できること」「たしかな返済計画があること」を記入します。

 

 

資金調達計画について

自己資金額とその割合について

補助事業に係る経費(消費税込み)は〇〇〇円であり、その内〇〇〇円を自己資金として現預金の中から支弁します。

調達した借入金の返済計画(利益からの弁済計画)について

「つなぎ融資(補助金交付申請額)」部分だけ融資を実施し、その他の自己負担部分での資金調達は予定しておりません。

金融機関による確認書の有・無

あり(〇〇〇銀行 担当:〇〇〇様 )

 

 

補助金交付申請額が3000万円超となる場合は、「金融機関による確認書」が必須提出となります。3000万円未満に満たない場合でも、金融機関の協力が得られるようでしたら、発行頂くことを推奨しています。なお、この部分の記載は、「電子申請入力フォーム」内にもありますので、相違がないように注意が必要です。

 

1-21. 【公開項目㉑】収益計画表

続きまして、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

 収益計画表

5ヵ年における収益計画」を記入します。

 

 

●収益計画表

事業再構築補助金の事業計画書の記載例⑧

 

この「収益計画表」は「電子申請入力フォーム」にも記載がありますので、そちらと相違がないように注意が必要です。また、「補助事業終了年度(基準年度)」を間違える方が多いため、その点も注意が必要です。必ずしも「直近の決算年度」と連続している必要はありません

また、「1年後~3年後」の売上高については、前ページで計算して算出済みですので、その数値を転記します。ここでも相違がないように注意しましょう。また、もし従業員数が減っている場合は、それが「解雇ではない」ことを説明した方がよいでしょう。

 

1-22. 【公開項目㉒】「付加価値額」の算出根拠・実現の道筋

続きまして、事業計画書内の「2.将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)」における以下の項目の記入例をご紹介します。

 

「付加価値額」の算出根拠・実現の道筋

売上と経費(人件費、減価償却費、販管費)を差し引いて、妥当な「営業利益」が得られることを記入します。

 

事業再構築補助金の事業計画書の記載例⑨
事業再構築補助金の事業計画書の記載例⑩

 

「収支計画表」がどのような計算根拠になっているかについて、詳細に計算過程を説明します。特に、「売上高」を実現するために、どういった取り組みをするのかについて、前ページにて未記載であれば入念に記載するようにしましょう。単なる計算過程が知りたいのではなく、計画通りに収益を上げるための「実現への道筋」が求められているためです。上記の記載例では、ページ誓約があり、十分に記載できていませんが、売上高の算出の根拠については「1ページの30~50%ぐらい」の文章量があると良いです。必要に応じて、「KPI・KGI」の設定についても記載があると良いでしょう。

 

 

 以上が、行政書士法人エベレストが仮に事業再構築補助金の事業計画書を作成した場合の記入例です。第7回公募回以降に事業再構築補助金の申請にチャレンジされる方の、事業計画書を作成する際の参考になりましたら幸いです。


事業計画書の「書き方のワンポイントアドバイス」がついた「事業計画書テンプレート」は、以下よりご取得ください。こちらを用いれば、スピーディかつ確実に事業計画書を作成できます。

 

2.事業再構築補助金の「事業計画書」の基本知識5つ

「事業計画書をどんなふうに書いたらいいのか(=事業計画書の記入例)」については、ご理解いただけたのではないでしょうか。

 

続きまして、事業計画書を書くうえで、頭に入れておきたい「基礎知識」を解説します。

 

「事業計画書の作成」で知っておきたい基本知識5

「事業再構築指針」との関連性を説明する

事業計画書に盛り込むポイント11点を把握しておく

必ず「認定経営革新等支援機関」と一緒に作成する

④A4サイズで15ページ以内で作成する

「審査項目&加点項目」を把握する

 

一つずつ、みていきましょう。

 

2-1.①「事業再構築指針」との関連性を説明する

事業再構築補助金の「公募要領」には「事業計画書作成における注意事項」があります。

 そこには、以下の一文が記載されています。

 

 

申請する事業再構築の類型について、事業再構築指針との関連性を説明してください。

 

出典:事業再構築補助金事務局「令和二年度第三次補正事業再構築補助金公募要領(第4回)

 

事業再構築指針」とは、事業再構築のパターン7つを説明した書類です。いずれかのパターンの事業再構築を行うのが、事業再構築補助金を受給するうえでの「大前提」です。

 

そのため、

 

どのパターンの事業再構築で売上UPを図るのか

 

選んだパターンの要件を満たす事業計画になっているのか

 

について、事業計画書内でしっかり説明するべきだという指示だと解釈できます。

 

7つの事業再構築パターン」は以下の通りです。まずは、どのパターンを選ぶのか決めておきましょう。

 

事業再構築のパターン7

 

 

 

 

 

 

 

 

新分野展開

 

<簡単にまとめると>

「業種」もしくは「事業」を変えずに「新製品・新サービス」を作ることで、売上UPを目指す

 

<具体例>

ハワイアンレストランが毎月「SNS映えスイーツ」の新作を作ることで、売上UPを目指す

 

<定義>

中小企業等が主たる業種(※)又は主たる事業(※)を変更することなく、新たな製品等を製造等することにより、新たな市場に進出すること

 

1)直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく大分類の産業

※2)直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく中分類、小分類又は細分類の産業

事業転換

 

 

<簡単にまとめると>

「業種」はそのままだが「主力事業」を変更し「新製品・新サービス」を作ることで、売上UPを目指す

 

<具体例>

中華料理店(飲食業)が、デリバリー需要を踏まえて、デリバリー専門の「ゴーストレストラン」(飲食業)を開業することで、売上UPを目指す

 

<定義>

中小企業等が新たな製品等を製造等することにより、主たる業種(1)を変更することなく、主たる事業(2)を変更すること

 

1)直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく大分類の産業

※2)直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく中分類、小分類又は細分類の産業

 

業種転換

 

<簡単にまとめると>

「現在の業種」を変え、「新製品・新サービス」を作ることで、売上UPを目指す

 

<具体例>

貸倉庫業を営んでいる会社が、貸倉庫業を閉鎖。インターネット関連業の進展を踏まえて、代わりに「データセンター事業」を始めることで、売上UPを目指す

 

<定義>

中小企業等が新たな製品を製造することにより、主たる業種(1)を変更すること

 

1)直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく大分類の産業

 

業態転換

 

<簡単にまとめると>

「業種」はそのままだが、「製品・サービスの提供方法」を大きく変えることで、売上UPを目指す

 

<具体例>

店内飲食の中華料理店が、店舗の営業時間を短縮しつつ「テイクアウト」や「デリバリーサービス」「通販」「ECモールへの出店」などにより、売上UPを目指す

 

<定義>

製品等の製造方法等を相当程度変更すること

 

事業再編

 

<簡単にまとめると>

「合併」や「会社分割」などの「組織変更」を行いつつ、「新分野展開~業態転換」のいずれかを行うことで、売上UPを目指す

 

<具体例>

「中華料理店」が「エスニック料理店」と合併して、営業時間を短縮しつつ、フードデリバリー事業を開始することで、売上UPを目指す

 

<定義>

会社法上の組織再編行為(合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡)等を行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行うこと

 

中小企業卒業枠

 

<簡単にまとめると>

35年以内に中堅企業や大企業になることで、売上UPを目指す

 

<具体例>

地域密着型の飲食チェーンを展開する中小企業が、フードデリバリーサービスや通販事業を展開することで、中堅企業になることを目指す

 

<定義>

事業再構築により、事業計画期間(3~5年)終了までに中堅企業・大企業等()に成長することを目指す中小企業等を対象とした特別枠

 

)「公募要領」を参照

 

中堅企業グローバルV字回復枠

 

<簡単にまとめると>

海外進出(グローバル展開)によって、売上UPを目指す

 

<具体例>

国内でプロバイダ事業を営む会社が、新興国へのグローバル進出によって、売上UPを目指す

 

<定義>

新型コロナウイルス感染症によりその事業に大きな影響を受けているが、事業再構築により、事業計画期間終了までにグローバル展開により事業の大幅な回復を目指す中堅企業等()を対象とした特別枠

 

)以下にあてはまる法人を指します。詳細は公募要領を参照してください。

・中小企業基本法に定める中小企業者に該当しないこと

・資本金の額又は出資の総額が10億円の未満の法人であること。

・資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、従業員数(常勤)が2,000人以下であること。

 

出典:経済産業省・中小企業庁「事業再構築指針の手引き(1.4版)

 

なお、先述した

 

どのパターンの事業再構築で売上UPを図るのか

選んだパターンの要件を満たす事業計画になっているのか

 

を満たすために「必要となる要件」が、各パターンごとに定義されています。

 

例えば「新分野展開」を選んだ場合。

 「必要となる要件」としては、以下の3点が挙げられます。

 

「新分野展開」において「必要となる要件」

製品等の新規性要件

 

過去に製造等した実績がないこと

製造等に用いる主要な設備を変更すること

定量的に性能又は効能が異なること(1)

 

1)

製品等の性能や効能が定量的に計測できる場合に限って必要

 

市場の新規性要件

 

製品等の性能や効能が定量的に計測できる場合に限って必要

 

売上高10%要件

 

新たな製品等の(又は製造方法等の)売上高が総売上高の10%以上となること

 

 

「必要となる要件」は、7つのパターンごとに、以下書類で詳しく解説されています。

必ず、目を通しておきましょう。

 

「必要となる要件をチェックする/事業再構築パターンを決める」ために目を通したい書類

 

経済産業省・中小企業庁「事業再構築指針の手引き(1.4版)

 

 

 

2-2.②事業計画書に盛り込むポイント11点を把握しておく

事業再構築補助金の「公募要領」には、「事業計画書に盛り込むべきポイント」が11点記載されています。

 

以下の11点が盛り込まれた事業計画書を作成しないと、審査を通過できません。

まずは、この11点を押さえておきましょう。

 

事業計画書に盛り込むべきポイント11

1:補助事業の具体的取組内容

ポイント

 

【以下について「具体的に・わかりやすく」記載する】

 

・現在の事業の状況

・強み・弱み、機会・脅威

・事業環境

・事業再構築の必要性

・今回の補助事業で実施する新分野展開や業態転換

・事業・業種転換等の取組

・事業再編又はこれらの取組について

・事業実施期間内に投資する建物の建設・改修等の予定

・取得時期や技術の導入や専門家の助言

・研修等の時期

・詳細なスケジュール

 

必要に応じて、図表や写真等を用いて、具体的に記載する

 

1:補助事業の具体的取組内容

ポイント

 

選択した「応募申請する枠」「事業再構築の種類」に応じて、「事業再構築指針」に沿った事業計画書を作成する

 

「応募申請する枠」「事業再構築の種類」は、「事業再構築指針」および「事業再構築指針の手引き」を参照して選ぶ

 

どれを選んだのかについても、事業計画書に記載する

 

・応募申請する枠

-通常枠

-大規模賃金引上枠

-卒業枠

-グローバルV字回復枠

-緊急事態宣言特別枠

-最低賃金枠

 

・事業再構築の種類

-「事業再編型」

-「業態転換型

-「新分野展開型」

-「事業転換型」

-「業種転換型」

 

1:補助事業の具体的取組内容

ポイント

 

【以下について「具体的に・わかりやすく」記載する】

 

・どのように「他者」や「既存事業」と差別化できるか

・競争力強化が実現するか

・その方法・仕組み・実施体制

 

1:補助事業の具体的取組内容

ポイント

 

【以下について「具体的に・わかりやすく」記載する】

 

(既存事業の縮小・廃止、省人化により、従業員の解雇を伴う場合)従業員向けに「どのような再就職支援を行うのか」を記載する

 

2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)

ポイント

 

【今回の補助事業における「想定ユーザー・マーケット・市場規模」に関して、以下の5点を記載する】

 

・成果の価格的・性能的な優位性

・収益性

・課題

・リスク

・その解決方法

 

(参考)

市場動向等を簡易に把握できる「統計分析ツール」(経済産業省)を利用してもよい。鉱工業品約1,600品目を対象として、簡易な操作で生産動向等をグラフ化できる

 

統計分析ツール「グラレスタ」

解説動画

 

2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)

ポイント

 

【以下について「簡潔に・わかりやすく」記載する】

 

・今回の事業を軌道にのせたい時期

・目標とする売上規模

・量産化時の製品・サービスの価格

 

2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)

ポイント

 

【以下のポイントを押さえる】

 

・必要に応じて、図表や写真等を用いて具体的に記載する

 

3:本事業で取得する主な資産

 

 

【以下について「簡潔に・わかりやすく」記載する】

 

・本事業により取得する主な資産の名称・分類・取得予定価格(単価50万円以上の建物、機械装置・システム等)

 

補助事業実施期間中に、取得財産管理台帳を整備する必要がある

 

4:収益計画

ポイント

 

【以下について「具体的に・わかりやすく」記載する】

 

・本事業の実施体制

・スケジュール

・資金調達計画

 

4:収益計画

ポイント

 

【以下について「具体的に・わかりやすく」記載する】

 

・収益計画(表)における「付加価値額」の算出根拠

 

 

 

 

4:収益計画

ポイント

 

【以下について、頭に入れておく】

 

・収益計画(表)で示された数値は、補助事業終了後も、毎年度の「事業化状況等報告」等において、伸び率の達成状況が確認される

 

出典:事業再構築補助金事務局「令和二年度第三次補正事業再構築補助金公募要領(第4回)

 

 

2-3.③必ず「認定経営革新等支援機関」と一緒に作成する

 

「事業計画書」を作成する際には、「認定経営革新等支援機関」と一緒に取り組むことが、採択の「大前提」になっています。

 

「認定経営革新等支援機関」とは、中小企業を支援する専門知識・実務経験が、国の定める一定基準以上備わっていると認定された支援機関のことです。

 

「認定経営革新等支援機関」は幅が広く、税理士、弁護士、中小企業診断士などが挙げられます。そのほか、商工会議所などの組織も「認定経営革新等支援機関」に含まれています。

 加えて「認定経営革新等支援機関」によって、サポートできる内容もさまざまです。

 

以下をご覧ください。

 

「認定経営革新等支援機関」の概要

認定支援機関の種別

 

・税理士(法人含む)

・公認会計士(法人含む)

・弁護士(法人含む)

・中小企業診断士(法人含む)

・民間コンサル(法人含む)

・商工会

・商工会議所

・その他

 

サポート内容

 

・創業等支援

事業計画策定支援

・経営改善

・事業承継

M&A

・事業再生

・生産管理・品質管理

・情報化戦略

・知財戦略

・販路開拓・マーケティング

・マッチング

・産学官等連携

・人材育成

・人事・労務

・海外展開等

BCP作成支援

・物流戦略

・金融・財務

 

出典:中小企業庁「認定経営革新等支援機関検索システム

 

まずは、中小企業庁が公開している「認定経営革新等支援機関検索システム」にアクセスして、「事業計画作成支援」ができる「認定経営革新等支援機関」を探してみて下さい。

 

 ※エリア・認定支援機関種別・相談可能内容などの項目を適宜入力すると、条件にあった「認定経営革新等支援機関」を絞り込むことができます。

 

 

なお、行政書士法人エベレストの代表社員野村篤司が代表取締役を務める「株式会社エベレストコンサルティング」も「認定経営革新等支援機関」に認定されています。1回目・第2回目の事業再構築補助金においては、当社のサポートによって8/9社(=89%の確率)」が補助金の受け取りに成功しています。

 

事業計画書の作成で、不安がある方はお気軽に、行政書士法人エベレストへご相談ください。お力になれる自信があります。

 

 

 

2-4.④A4サイズで15ページ以内で作成する

1500万円以上の補助金の申請を行う場合、事業計画書は、A4サイズで15ページ以内」に収めることが条件になっています。一方、1500万円以下の場合にはA4サイズで10ページ以内」です。規定ページ内で、審査員にわかりやすく説明しましょう。

 

事業計画書のページ分量

 

●1500万円以上の補助金の申請を行う場合

A4サイズで15ページ以内」に収める

 

●1500万円以下の補助金の申請を行う場合

A4サイズで10ページ以内」に収める

 

 

 

2-5.⑤「審査項目&加点項目」を把握する

事業再構築補助金では「審査項目」と「加点項目」が定義されています。

 

「審査項目」をしっかりと押さえつつ、「加点」も狙うことで、受給確率がUPします。

 

以下のポイントを押さえておきましょう(「公募要領」のP33-34を参照すること)。

 

審査項目&加点項目

補助対象事業

としての適格性

 

 

指定の条件を満たすか

4.補助対象事業の要件(P.12を参照する)」を満たすか。

 

指定の条件を満たすか

補助事業終了後、35年で「付加価値額:年率平均3.0%以上」の増加等を達成する事業か(「グローバル V 字回復枠」については 5.0%)。

 

事業化点

4

 

補助事業の「遂行能力」があるか

本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。

 

「マーケット調査」に基づいた事業計画か

事業化に向けて、競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。市場ニーズの有無を検証できているか。

 

高収益事業になる「手段・スケジュール計画」か。また「リスク&回避策」が提示されているか

補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの遂行方法及びスケジュールが妥当か。補助事業の課題が明確になっており、その課題の解決方法が明確かつ妥当か。

 

受けた補助金よりも「大きな収益」が見込める計画か

補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウハウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取組となっているか。

 

再構築点

4

 

「事業再構築指針」の意図に沿った事業再構築か

事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。

 

コロナの影響で「大幅な売上減」に見舞われた上での申請か

 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。

 

「低収益事業の撤退×高収益事業への集中」が計画されているか

市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。

 

「デジタル技術」や「今までにないビジネスモデル」によって、地域の発展につなげられる事業計画か

先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。

 

政策点

5

 

「日本の経済成長」に貢献する事業計画か

先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。

 

「コロナ禍でも売上UPできる」事業計画か

新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。

 

国内のみならず「海外展開も見込める」事業計画か

ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。

 

地域の「雇用創出」や「経済成長」につながる事業計画か

地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できるか。

 

「オープンイノベーション的要素」がある事業計画か

異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。

 

加点項目

4

【令和3年の国による緊急事態宣言の影響を受けた事業者に対する加点】

 

コロナ禍の影響で、前年同期比で30%以上減少しているか

令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、20211 月~8 月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で 30%以上減少していること(又は、令和 3 年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等による影響を受けたことにより、令和3年 1 月~8 月のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で 45%以上減少していること)。

 

②2021 1 月~8 月のいずれかの月の固定費が同月に受給した協力金の額を上回るか

上記の条件を満たした上で、20211 月~8 月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約料)が同月に受給した協力金の額を上回ること。

 

 

【最低賃金枠申請事業者に対する加点】

「最低賃金枠」への申請か

指定の要件(公募要領「⑥ 最低賃金枠」(P.11を参照する))を満たし、最低賃金枠に申請すること。

 

 

【経済産業省が行う EBPM の取組への協力に対する加点】

 

本補助金事業の「実施妥当性」を検証するために、財務情報などのデータの提供に協力するか

データに基づく政策効果検証・事業改善を進める観点から、経済産業省が行 EBPMの取組に対して、採否に関わらず、継続的な情報提供が見込まれるものであるか。

 

※ ①の加点項目については、エビデンスとなる添付書類を提出し、各要件に合致することが確認できた場合にのみ加点されます。

の加点項目については、電子申請システム上でチェック事項を入力してください。

 

 

出典:事業再構築補助金事務局「令和二年度第三次補正事業再構築補助金公募要領(第4回)

 

 

3. 事業再構築補助金の「事業計画書」の作成で押さえるべきポイント10

続きまして、事業計画書を作成する際に押さえておきたいポイントも解説します。

全部で10個あります。

 

事業再構築補助金の「事業計画書」の作成で押さえるべきポイント10

POINT

実行内容

POINT 1

「公募要領」及び「事業再構築の指針」を熟読し、徹底理解する

POINT 2

「事業拡大に繋がる事業資産への相応規模の投資」を行う計画である

POINT 3

「事業計画作成における注意事項」及び「審査項目」については「明確かつ網羅的に記載」する

POINT 4

「補助事業実施段階での課題と解決方法」及び「事業化段階における課題と解決方法」を明確かつ的確に記載した計画とする

POINT 5

SWOT分析」の結果を踏まえている事業計画になっている

POINT 6

「金融機関からの資金調達が十分に見込める」計画になっている

POINT 7

補助金交付申請額に対して、「増加する付加価値額が妥当」な計画である

POINT 8

「市場ニーズが客観的に明らかであるを十分に説明した計画」になっている

POINT 9

コロナ禍の長期化を前提に、「外出自粛等の影響を極力回避できる事業計画」である

POINT 10

「付加価値額等の算出の根拠」及び「実現への道筋」について、明確かつ客観的・合理的な説明が出来る収支計画とする

 

一つずつ、みていきましょう。

 

3-1.POINT1】:「公募要領」及び「事業再構築の指針」を熟読し、徹底理解する

事業計画書をわかりやすく作成することは大事です。

 

しかし、受給の大前提となる「公募要領」や「事業再構築の指針」に記載されている要件を満たしていない場合、審査を通過することはできません。例えば、事業計画書については「認定経営革新等支援機関」と「共同で策定」を行わないと、補助金の「認定支援機関要件」を満たすことが出来ません。

 

まずは、関連資料を熟読し、どのような要件があるのか理解しましょう。

 

目を通しておくべき資料一式

 

・事業再構築補助金事務局「令和二年度第三次補正事業再構築補助金公募要領(第4回)

・中小企業庁「事業再構築指針

経済産業省・中小企業庁「事業再構築指針の手引き(1.4版)

 

 

「公募要領」は貴社が応募する回のものをダウンロードし、「最新情報」のものを読んでください。頻繁に更新されるため、注意が必要です。

 

スケジュール

 

・第7回 令和4年7月1日~令和4年9月30日締切り

 

 事業再構築補助金のホームページはこちら

 

 

 

3-2.POINT2】:「事業拡大に繋がる事業資産への相応規模の投資」を行う計画である

事業再構築補助金は「倒産しそうな急場をしのぐ」ためのものではありません。

 

あくまでも「事業の再構築」によって、V字回復(=売上アップ)を目指す中小企業を支援するための制度です。

 

そのため、以下のような用途による申請では、審査に通過できません。

 

審査に通過できない補助金の用途例

 

・商品やサービスの認知度アップを目的とした「広告宣伝費」

・単なる企業紹介用ホームページの刷新に用いる「ホームページ制作費」

・古くなった機材を新調する「設備投資費」(※単なる設備更新)

 

 

あくまで、「事業拡大に繋がる事業資産への相応規模の投資」をサポートする補助金であることを、しっかりと理解しておきましょう。

 

 

3-3.POINT3】:「事業計画作成における注意事項」及び「審査項目」については「明確かつ網羅的に記載」する

事業計画書を作成する際には、「事業計画作成における注意事項」と「審査項目」で求められている要件を、明確かつ網羅的に記載してください。

 

明確というのは「誰が読んでも同じ意味にとれる(=わかりやすい)」ということです。

網羅的というのは「過不足なく」ということです。

 

そうした事業計画書を作成には、図表や4象限を用いて、わかりやすく整理することが大切です。

 

詳しくは「2.  事業再構築補助金「事業計画書の記入例」を公開」を参考にしてみてください。

 

 

3-4.POINT4】:「補助事業実施段階での課題と解決方法」及び「事業化段階における課題と解決方法」を明確かつ的確に記載した計画とする

貴社が売上減に苦しんでいる理由を「課題」と位置づけ、その課題を解決するための方法を、明確かつ的確に記してください。例えば、貴社が飲食店を営んでいて、現状の販路が「店舗」のみの場合。

 

売上を拡大するには「フードデリバリーサービス」や「通販」のほか、「ゴーストレストランの出店」などが、今回の補助金の主旨に合った解決方法です。

 

それにもかかわらず「営業時間を伸ばす」「ホームページを刷新する」などの解決方法を「主たる取り組み」として提示した場合、補助金の主旨と大きくずれてしまうことになります。

 

事業計画書を作成する際には「現状の課題を解決する策として、このアイデアは適当なのか?」を、最低3回は「自問自答」しましょう。

 

「認定経営革新等支援機関」の専門家の意見も仰ぎながら、補助金受給のコア部分である「売上アップの解決策」をしっかりと固めていってください。

 

 

3-5.POINT5】:「SWOT分析」の結果を踏まえている事業計画になっている

先述の「1-2.①事業計画書に盛り込むポイント11点を把握しておく」にある通り、公募要領には、「強み・弱み・機会・脅威」について記すよう、明記されています。

 

「強み・弱み・機会・脅威」が何かわからない方もいらっしゃるかもしれません。

 

この指示は、経営学者のヘンリー・ミンツバーグ(Henry Mintzberg)が提唱したSWOT分析(スウォット分析)」を行いなさいという指示だと解釈できます。SWOT分析とは「強み・弱み・機会・脅威」を4象限に分けることで経営戦略を考えるフレームワークです。

 

そのため「2-2.【公開項目②】現在の事業の強み・弱み/事業環境について」の記入例でご紹介した通り、4象限を用いたSWOT分析を事業計画書に盛り込むのがベストです。

 

その点を必ず押さえておきましょう。

 

 

3-6.POINT6】:「金融機関からの資金調達が十分に見込める」計画になっている

「資金返済計画の確実性」も厳重にチェックされています。 「この計画でしっかりと借入を返していける計画になっているのか」を再三確認しましょう。

 

例えば、あなたが旅館を営んでいる場合。既存の旅館をつぶして、別の立地にホテルを建てる計画を立てたとします。その際、十分に妥当性のある「集客対策」や「スタッフの雇用計画」が練られていないと

 

「コロナ禍で観光業が厳しいのに、新しいホテルを建てても、負債を増やすだけだろう。返済できない可能性が高そうだ」

 

と判断される可能性が高いです。審査員としてみれば、大胆な事業計画は一向にウェルカムだと思います。しかし、いくら思い切った計画でも、そこに返済の可能性(=返済の道筋となる計画性)が見いだせなければ、審査を通さないでしょう。

 

「確実に返済していける資金調達計画か」

「返済に伴う集客対策や雇用計画は妥当なものか」

 

について、十分にチェックしてください。

 

 

3-7.POINT7】:補助金交付申請額に対して、「増加する付加価値額が妥当」な計画である

補助金交付申請額」よりも、「付加価値額の増加額」が下回ることのないようにしましょう。

 

簡単にいえば「(政策的に)投資対効果の高い事業計画を立ててね」ということです。

 

例えば、以下2つの事業を比べた場合。

 

あなたが審査員ならば、どちらの申請を通すでしょうか。

 

 

A

B

補助金交付申請額

500万円

500万円

付加価値額の増加額

1000万円

5000万円

 

いわずもがな、B社ではないでしょうか。

 

補助金を交付するだけの「投資対効果(=伸びしろ)」がないならば、伸びしろの大きい事業を採択するのは、至極当然ことです

 

この点は、意外と盲点になっている事業者が多いですから、注意してください。

 

 

3-8.POINT8】:「市場ニーズが客観的に明らかであるを十分に説明した計画」になっている

市場ニーズが見込めない事業計画は、採用されません。これは、当然といえば当然のことです。「市場ニーズがない」とすれば、新しい事業も自己満足に終わってしまい、「事業化に至る実現性が著しく低い」とされるためです。商売の基本中の基本ですが、「ニーズがあるからこそ、そこに投資する」ということをしっかりと説明しましょう。

 

 

3-9.POINT9】:コロナ禍の長期化を前提に、「外出自粛等の影響を極力回避できる事業計画」である

 コロナ禍の特徴を踏まえた事業計画書を作成すべきです。これは、基本中の基本の考え方です。

 

例えば、飲食店であれば、来店による飲食提供を縮小(客席を減少)して、フードデリバリーや通販に注力するのが妥当な事業計画です。 ホテルやスキー場、ゴルフ場であれば、コロナ禍でも需要が伸びている「グランピング施設を遊休地に作る」といったアイデアが考えられます。

 

外出の機会が減っている状況を踏まえた事業計画書を作成しましょう。

 

 

3-10.POINT10】:「付加価値額等の算出の根拠」及び「実現への道筋」について、明確かつ客観的・合理的な説明が出来る収支計画とする

 

審査員がみたときに、納得感のある「収支計画」を立てましょう。例えば、あなたが中華料理店を営んでいて、業種転換を考えている場合。

 

まったくの未経験にもかかわらず、Web制作会社を立ち上げて、初年度から1億円の売上をあげて、次年度には2億円、3年目は3億円といった事業計画を立てたら、審査員はどう思うでしょうか。

 

Web制作の経験がないのに、いきなり参入して成功するわけないだろう」

2年目で売上を倍にするのは無理がある」

 

などといった感想をもたれる可能性が高いです。客観的にみて、合理的な説明ができる収支計画とはいえません。

 

審査員がみたときに「売上を創出できる根拠のある事業計画だ」と思われるよう、合理性や客観性を意識しながら、事業計画書を作成しましょう。

 

以上10個が、事業計画書を作成する際に、押さえておきたい重要ポイントです。

 

これらのポイントを押さえて、事業計画書を作成しましょう。

 

 

 

4.17社/21(80.9)」が「採択」に成功!事業計画書の必勝テンプレート

 

ここまでの記事を通して、事業再構築補助金の事業計画書を作成する際の「記入例」や「押さえるべきポイント」について、理解できたのではないでしょうか。

 

とはいえ、以下のような悩みを抱えている方も少なくないかもしれません。

 

「一人で事業計画書を作成する自信がない

 

このようなお悩みをもつ方は、行政書士法人エベレストにお任せください。

 

当社では、事業再構築補助金の第1回目公募から、「当社オリジナルの事業計画書テンプレート」を提供しており、当該ひな型を用いて当法人が支援した「21社中17社」が補助金「採択に成功」しています。

 

当社のテンプレートを活用するメリットは4つあります。

 

事業計画書のテンプレート活用のメリット4

 

必要記載事項の「説明漏れ」を防止できる

要点が集約されたわかりやすい「事業計画書」ができる

ひな形ができているため約20時間ほど「作業時間」を短縮できる

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とりわけ、以下のような要望がある方は、テンプレートの活用がおすすめです。

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5. まとめ

 

いかがでしたか。

 

「事業再構築補助金の事業計画書」について、「記入例」は「記入の際のポイント」を理解できたのではないでしょうか。本記事の内容を参考に、事業計画書を作成してみてください。ここで、本記事のまとめをいれます。

 

事業再構築補助金「事業計画書の記入例」を公開

事業再構築補助金「事業計画書」のテンプレート項目

1.補助事業の具体的取組内容

 

・現在の事業の状況について 

 

・現在の事業の強み・弱み/事業環境について 

 

・補助事業計画名及びその概要

 

・事業再構築の具体的内容及び課題とその妥当な解決方法

 

・事業実施期間の取組みスケジュールについて

 

・応募申請する枠と事業再構築の種類

 

・補助事業を行うことによる差別化について 

 

・補助事業実施期間中における補助事業実施体制

 

・再就職支援の計画等の従業員への適切な配慮の取組みについて

 

 

 

 

 

2.将来の展望

(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)

 

・補助事業実施の「成果」について

 

・競合他社の動向についての把握状況

 

・補助事業の成果の事業化が寄与すると想定している「具体的なユーザー」

 

・本事業が寄与すると想定している「マーケット及びその市場規模」について

 

・補助事業成果の価格的・性能的な優位性・収益性について

 

・補助事業成果の事業化における課題やリスク、その解決方法について

 

・補助事業成果の事業化見込み(事業化の目標時期・売上規模、量産化時の製品等の価格等)

 

 

3.本事業で取得する主な資産

 

 

・資産の概要

 

4.収益計画

 

・本事業(補助事業終了後の事業化に向けた実施段階)の実施体制

 

・本事業の事業化に向けた実施スケジュール

 

・資金調達計画について

 

・収益計画表

 

・「付加価値額」の算出根拠・実現の道筋

 

 

 

事業再構築補助金の「事業計画書」の基本知識5

 

「事業再構築指針」との関連性を説明する

 

事業計画書に盛り込むポイント11点を把握しておく

 

必ず「認定経営革新等支援機関」と一緒に作成する

 

④A4サイズで15ページ以内で作成する

 

「審査項目&加点項目」を把握する

 

 

事業再構築補助金の「事業計画書」の作成で押さえるべきポイント10

事業再構築補助金の「事業計画書」の作成で押さえるべきポイント10

POINT

実行内容

POINT 1

「公募要領」及び「事業再構築の指針」を熟読し、徹底理解する

POINT 2

「事業拡大に繋がる事業資産への相応規模の投資」を行う計画である

POINT 3

「事業計画作成における注意事項」及び「審査項目」については「明確かつ網羅的に記載」する

POINT 4

「補助事業実施段階での課題と解決方法」及び「事業化段階における課題と解決方法」を明確かつ的確に記載した計画とする

POINT 5

SWOT分析」の結果を踏まえている事業計画になっている

POINT 6

「金融機関からの資金調達が十分に見込める」計画になっている

POINT 7

補助金交付申請額に対して、「増加する付加価値額が妥当」な計画である

POINT 8

「市場ニーズが客観的に明らかであるを十分に説明した計画」になっている

POINT 9

コロナ禍の長期化を前提に、「外出自粛等の影響を極力回避できる事業計画」である

POINT 10

「付加価値額等の算出の根拠」及び「実現への道筋」について、明確かつ客観的・合理的な説明が出来る収支計画とする

 

本記事が、事業再構築補助金の事業計画書について知りたい方のお力になれましたら幸いです。

 

☆「(事業再構築補助金専用)事業計画書の雛形(Word版)」が欲しい方は、こちら(以下のリンク先より、有償にてダウンロード可能)

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