最終更新日:2024年4月8日(月)
文責:行政書士 野村 篤司
相続放棄(そうぞくほうき)とは
相続の放棄の効力について
「相続放棄」とは、故人(亡くなった方、被相続人)の財産をプラスもマイナスも含め、一切合切「(相続人として)承継しない」という法的な意思表示のことをいい、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に」、家庭裁判所に申し立てることにより行うことができます(民法第915条参照)。
この「相続放棄」が家庭裁判所で認められた場合、法的な効果として、「その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。」とされます(民法第939条)。
つまり、相続人の「順位」が変わることに注意が必要です。
連帯保証人(れんたいほしょうにん)とは
連帯保証人とは、主たる債務者(例えば債権者たる銀行から融資を受けた個人事業主など)と「連帯」して、被保証債務(借り入れたお金を債権者に返す義務)の弁済を人的に担保している人のことを言います。
相続放棄をしても、相続人自らが「連帯保証人」だった場合の支払い義務は?
相続放棄で免れることができるのは、あくまで「被相続人に関する債務や債務者たる地位」です。そのため、「(相続人自身の)連帯保証人たる地位は、故人(亡くなった方)の債務ではなく、債権者との間で直接的に生じる債務のため、相続放棄をしても免れることができない」ということです(※1)。
被相続人が主たる債務者ではなく、「連帯保証人」だった場合の相続について
それでは、視点を変え、「連帯保証人」が亡くなった場合に、その者が負担していた「連帯保証人たる地位」については相続されるのでしょうか。
有料老人ホームの身元引受人の地位は相続されるのか
民法では、「一身専属権(いっしんせんぞくけん)」を除き、相続の対象とされています。この「一身専属権」としては、例えば、就職時の「身元保証人」が含まれる(→つまり、相続の対象ではない)と解されています。